ディーセントワーク推進委員会担当書記 工藤
6月25日、東京土建渋谷支部の教育宣伝部が主催する役員学習会で、ディーセントワーク推進委員会の発表をしました。
自分が出るわけでもないのに緊張して胃が痛くなりましたが、出演者の皆さんのアドリブがとても愉快で最高でした。
以下は台本です(敬称略)。
第一部:ラジオ、K&Kのディーセントワークタイム
(音楽を流す)(めくり台やせりふの紙を準備)(音楽をフェードアウト)
金井:はい、みなさんこんばんは、今夜も始まりましたK&Kのディーセントワークナイト。ディーセントワーク推進メンバーの金井と、笠原です。最初にお送りしたのは、今ヒップホップ界で新たな時代をけん引しているアメリカのラッパー、マックルモアによるヒンドホールでした。この曲は、イスラエルのガザ攻撃に抗議している世界中の学生たちに連帯して、停戦を求めている曲で、いろんな音楽サービスで配信されています。収益はすべて国連パレスチナ難民救済事業に寄付されます。テレビとかで残酷なニュースを見て、何か出来ないかと心を痛めている皆さん、ぜひチェックしてください。
さて今日は公開放送という事で、多くのリスナーの方々が集まってくれています。早速本日のテーマにいっちゃいましょう。
笠原:はい、ディーセントワーク推進委員の笠原です。今夜は、リスナーの皆さんからディーセントワーク推進委員会に寄せられた質問にどしどし答える「聞きたい知りたい!質問コーナー」と、毎年恒例の労働協約コント、この二本立てでお送りしますので、最後までお楽しみください!
金井:それでは前半戦、K&Kの「聞きたい知りたい!質問コーナー」(シンバルを鳴らす)。順番に質問ボックスから引いていきますね。まず最初は、ラジオネーム無化調ソーメンさんから、「ディーセントワークってどういう意味ですか?なんで土建に英語の専門部があるんですか?」です。
笠原:無化調ソーメンさん質問ありがとうございます。これ、そうですね、なんで英語なんですかね?とりあえずディーセントワークの意味は、ディーセントは「ちゃんとしてる、まともな」、ワークは「仕事」、要は、まともな仕事っていう意味なんですけど、日本だけじゃなく世界中の労働組合の共通の目的なんです。誰か一人の一時的な労働条件じゃなくて、世界中の労働者全員がまともに安心して生きていける労働環境にしよう、そういう社会を一緒に作っていこうという壮大な目標みたいな感じです。なので、どこの国の人にも通じるディーセントワークという言葉を使っています。
金井:無化調ソーメンさん、だそうです!ちなみにこの前の大宣伝でディーセントワークの話を役員さんがマイクでしゃべってたら、外国の方々からびっくりされたみたいです。それでは次、ラジオネームミッドサマーモスキートさんから。「ディーセントワーク推進委員会って、どんなひと達がどんな事をしてるんですか?」です。
笠原:そうですね、土建って結構社長業のひとが多いんですが、ディーセントワーク推進委員会だけは従業員の立場のひとにメンバーを限定しています。やっぱり本当に下からの声って上げづらいんで、あげられる場所を土建の中で確保して、仕事では自由にできないけど、実は一番人数の多い労働者の声や願いを集めて運動に変えていきたいと思っています。あと、二つ目の質問ですが、普段の私たちの活動は、組合のみんなが集まる群会議で、仕事の愚痴や理想を気軽に語り合えるテーマを提案したり、働き方改革の内容を知らせるアンケートを取ったり、会社とか職種を超えた交流会を企画して、一人じゃないよ、一緒に何かしようよ、という感じで仲間を増やすことを目的に動いています。
金井:そうですね。メンバーがどうしても従業員とかなので残業があると集まりづらい時もあるけど、LINEグループでアイデア出しとかもしています。ミッドサマーモスキートさん、質問ありがとうございました!それでは時間もあれなので最後の質問!ラジオネーム夏の夜明けさんからで、「世の中良くなっていくと思えません。今後の展望を教えてください」。
笠原:確かに、AIとか進んでますが、仕事は忙しいし物価は高いし給料は上がらないし、とかありますよね。でも、昔と比べると、例えば大昔は子供の労働当たり前、一日16時間労働当たり前、だったのが、今は一応、一日8時間労働になったり、土日休みが建設業でも増えたりしています。これって偉い人が決めたんじゃなく、労働組合とか、労働組合のやってることに共感する人達が、長くて地道な運動をして変えてきたんです。今、ヤマト運輸やイケアジャパン、スシローやスターバックスの従業員が、労働組合を作って闘っています。一つひとつはどこかの小さな職場だけど、点を沢山作っていけば社会は必ず変わっていきます。土建も、大昔の先輩たちがめちゃくちゃ闘って健康保険を作ったし、労災保険にも入れるようになりました。人生あっという間なんで、悩んでいる暇がもったいないです。ぜひぜひ、ディーセントワーク推進委員会の運動に参加したり、応援したりしてください、よろしくお願いします!
金井:質問者の皆さんリスナーの皆さん、ありがとうございました!続いてはお待ちかねの後半戦、恒例の労働協約コント!今年度のディーセントワークレギュラーメンバーと、Cハートの佐々木社長をスペシャルゲストに迎えてお送りします。来月からの厚生年金の受付のための学習内容なので、ぜひ最後までお付き合いください!
第二部:労働協約推進コント
その一、とある同棲カップル
笠原:ただいまー。会議長引いちゃった。お腹すいた!
金井:おかえりー。お疲れ様。
笠原:金井くんもお疲れ様。とりあえずビール飲もう。
(プシュ)
笠原:今日給料日だね。1か月、お疲れさまでした!
笠原 金井:かんぱーい!
(ゴクゴク)
笠原:なんか値上がりが全然とまらないね。食料品もだけど、ガソリンとか建設資材もずっとでしょ?金井くんの会社は大丈夫?
金井:どうかなー。それを理由に給料減らされないといいなー。
笠原:そんなこと出来ないでしょ。そんな事したらちょーブラック企業だよ。でもなんか心配になってきた。ねぇ、給与明細見せて?
金井:今?
笠原:うん。
(ごそごそ)
金井:はい。
笠原:わお、お給料、私とほぼ同じ金額だ!でもあれ?給与明細比べると金井くんの社会保険料控除ってずいぶん高いね。会社が半分持ってくれてるのに。
金井:あーそれ、前に社長から土建国保は社会保険じゃないから全額自己負担って説明された。
笠原:え?それひどくない?だって普通、会社って社会保険完備じゃないの?
金井:うん、でもほら、厚生年金もちゃんと入ってるし、会社が半分負担してるよ。
笠原:ほんとだ。土建国保は全額自己負担で、厚生年金は半分半分なの?ますます意味が分からない。ねぇ、明日社長に理由を聞いてみてよ。そんなブラックな感じなら、今の会社辞めて、ちゃんとしたところに就職したほうがいいと思う。給料は全然上がらないのに、いろいろ値上げばっかりだし。保険料だって積もり積もったら結構な金額になるよ?
金井:そうだね。明日聞いてみる。
その二、群会議 社長達の会話
佐々木社長:こんばんは。あれ?群長、今日の群会議は2人ですか?
門田群長:もう少ししたら誰か来るんじゃないかな。もうちょっと待ちましょう。
佐々木:そうですね。あの、待っている間、ちょっと話を聞いてもらってもいいですか?
門田:どうぞどうぞ。どうしました?
佐々木:実は今日、従業員から、なんで土建の保険料が全額自己負担なのか聞かれて、このままなら会社を辞めるって言われちゃって。優秀な職人だから、どうしたものか困ってます。土建じゃなく社会保険にすればいいんですかね?でも土建国保は内容がいいから辞めたくないし。門田さんの会社ではどうしてます?
門田:うちの会社は、土建組合の人に言われて、社員の保険料半分払ってますよ。
佐々木:え?でもうちは税理士から、土建国保は社会保険じゃないからそれは出来ないって言われましたよ。
門田:保険料の半分の金額を給料に上乗せしてあげれば良いそうです。従業員もそれで納得してくれました。一応確認のために、会社と従業員と土建組合で、労働協約の確認書っていう書類も作りましたよ。
佐々木:なるほど。でも、そうするとやっぱり経費はかなり増えますよね。材料の値上げも厳しいし、経営が大変だなー。
門田:それも、法定福利費として元請けに請求していますよ。しなきゃやっていけないですよ。
佐々木:そうか。それで門田さんの会社の社員さん達は、みんな安心して、元気に働いているんですね?
門田:まぁ、簡単なことではないですけど、従業員を守ることが、結果として会社のプラスにもなったらいいな、とは思ってますね。
佐々木:そうですねー。理想は、社会保険料も、残業代も、あと値上がった資材代とか、そういう経費をちゃんと請求して、従業員が働きやすい環境を作っていくことですよね。
門田:そうすればブラック業界とか言われなくなるし、若者ももっと入ってくると思います。労働協約と請求要求運動が広がれば、この業界、変わりますよ。変えていきましょう。
佐々木:なんか、悩み相談が群会議みたいになっちゃいましたね。話を聞いてくれてありがとうございました。
門田:いえいえ。群会議って、たぶんこういう話をする場所ですよ。あ、自転車の音。そろそろみんな集まってきましたね。それでは今月の群会議を始めましょうか。
おしまい
出演者の皆さん、お疲れさまでした!
↑最後にしっかりと〆の挨拶をする金井くん