6月13日日曜日に開催した分会役員向けの綱領学習会に引き続き、執行委員向けの綱領学習会を7月4日日曜日に開催しました。
講師は前回と同じ、元東京土建書記次長の清水さん。
講演のおさらいです。
組合の歴史を学ぶワケは?
①東京土建の役割を、政治・経済・建設産業の動きの中から掴み、②情勢の変化から東京土建の現在の課題を捉え、自分達の客観的な位置を歴史的に見て、③役員として組合員をリードするため。
組合はどうやって誕生したの?
中世から始まった労働者の助け合い。総合扶助と親睦の機能を中心とした助け合いの組織が、成長と共に労働組合へと姿を変えていきます。
労働組合の誕生は、イギリスのパブ。東京土建の仲間も大好きな居酒屋です。一時的なストライキや個人的な抵抗では労働環境は変えられない。恒常的な団結組織として労働組合が生まれました。
東京土建はどんな組合?
東京土建の特徴その①
建設労働者の賃金と暮らしの改善、権利の確立を求める「階級的労働組合」として出発しました。
特徴その②
狭い職種ごとの組合を選択せず、建設産業で働いていれば誰でも加入できる「一般労働組合」でスタートした事が、その後の運動に良い意味で影響しました。
特徴その③
結成直後から、分会・群の建設、一人一人の組合員が主人公の組合を目指しています。
組合はどんな運動をする組織?
労働組合と政治の関わり、積極的な政治闘争の重要性について学びました。
当事者の運動が社会的ルールを作り、組合の目指す政策要求は必然的に政治闘争に発展する。建設分野の運動だけをしていたら、組合員の仕事と暮らしは守れない。
綱領にも明確に書いてあります。例えば水俣病などの公害裁判や、労災事業主特別加入制度や日雇い健保の制定、公契約条例、アスベスト訴訟。労働運動が政治に働きかける事によって、命を守る制度が実現されています。
最後に、役員の役割とは?
執行委員とは、執行=実行する人。
役員の役割は、綱領・規約に基づき、組合の統一と団結を瞳のように大切にし、仲間からの信頼を得て、無条件に明るく、支部の提案を実行する人である事。同じ提案をするなら、仲間の意見を聞くなら、暗かったり怒っている人より明るく楽しい人が良いよね、という話です。
講演が終わり、 会場からは「会議をしてもなかなか意見が出ない。執行委員は実行する立場として疑問があるはずなのに言えないもどかしさ。どうすれば改善出来るか、ヒントがあれば教えて欲しい」「率直に、綱領や規約、歴史は難しい。難しい事が頭に入らない。でもそういう事も含めて、その声を出していく事が大切なんだと思った」「組織再編で、今は群での聞き取りが出来ない状況になっている」「綱領はかなり昔のもの。時代に合わせて変えても良いと思う」「変えるというよりも、培ってきたものの何を生かしていくかが大切なんじゃないか」等の質問や発言が。
清水さんからは「昼間に執行委員会を開催していた時代もあったが、今はほぼ夜の開催になっている。夜だと2時間程度しか議論できないのでやる事が限られている。本当に執行委員会で議論した方が良い事を整理した方が良い。書記局だけで済む話、四役常任だけで済む話もある。会議での発言を増やすには、まず聞き上手な執行委員として、分会や群の話をよく聞く事。そしてそこで話された事を執行委員会で発言する事。循環する組織を作る。分会報告書に対して答えを出している支部もある」とアドバイスを貰いました。
お昼は鰻。また写真を撮り損ねました。
午後は3つに分かれて分散会。テーマは前回と同じです。
14時半に3階に集合し、それぞれの報告をしました。
自己紹介を兼ねた自分の好きな所の発表では「知っている仲で長所を言い合えて良かった。それ長所じゃないだろ、とか」「3つ出すのは結構難しかった」「しっかり自己分析をしている人が多く、的確な診断だった」そうです。
講演会については、「組合の基本である群・分会の活動が大切。しっかりやっていきたい」「アスベスト訴訟は長い間頑張ってきた一つの成果。これからは生活している人が被害者になる。罰則規定等設け、対策していかなくては」「綱領の柱がとても重要。そのおかげで今自分達が保障されている事が分かった」という感想が。
組合を作ってきた先輩から受け継ぎたい事は?という問いでは「70年前、先輩達は社会的な地位が確立されていない頃から汗を流し活動費もない中、土建国保を作った。次の世代には同じ活動を押し付けるのではなく知らせたい」「群・分会・支部と段階を踏んで学んで役員になるような育て方が重要」「綱領・規約を学び、原点を押さえて活動していく事」が話されました。
東京土建に足りない事は?という問いには、「若い人にどんどん活動を知らせ、少しでも組合に興味を持ってもらいたい」「役員の行動参加。忙しくても工夫して参加してもらう。集会では国保補助金・アスベスト・賃金引上げ等国政の議員の話が聞ける。積み重ねが土建の運動に繋がるし、自分にとっても自信になる」「今は先輩達が作ってくれたレールに乗っかっているだけ。これからは敷いてくれたレールを伸ばしていく事が私達の課題」「土建の原点の群活動で、対面で対話をする事が重要。支部再編後、停滞している分会や群の活動を次のステージへ展開していく事が必要」などなど色々な意見が。
最後に、皆さんの理想の役員像。「先のビジョンが見通せて引っ張っていける人」「この人ならついていきたいと思える、親分肌の人」「上から目線ではなく、組合員を家族のように思ってくれる人」「気配りの出来る人」。こちらも様ざま。
「色々ディスカッション出来た」「これからも分散会をやって欲しい」と、皆さん充実した会話が出来たようです。
大鐘教育宣伝部長による「群がなくなったから運動が進まない、と色んな所で言われるが、支部再編は居住率や群会計のなり手不足等を理由に自分達で決めた事。課題があっても、四役に任せよう、常任に任せよう、ではなく自分達の事として考え実行していこう」の挨拶で学習会終了。
今年はコロナ禍で四役・常任・書記局の参加を除いたにもかかわらず、2019年の48人を上回り55人が参加しました。
継続して学び、交流し、活動する事の大切さを皆で学んだ日曜日。なんだか久しぶりでしたね。参加された役員さん、お疲れ様でした!